終わらないもの/
木立 悟
水が
冬の終わらないはじまりを照らす
枯れた白のつづく径
あらゆるけだもののための径
稲妻がふたつの器を割り
霧の底を示し 消えてゆく
金に緑に歩むもの
塩の翼をひらいてゆく
高く 低く
暗がりのなか
雨を浴びるものが
雨を見つめ返す
見えない色にまたたきながら
洞に咲く花のそばに
もうひとつの花がそよいでいる
終わらない血 終わらない水
光の溝にこだまする
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