詩の子供たち/宣井龍人
誓って望んだことなのか
オギャーオギャー
オギャーオギャー
いずれは来るなら今でも同じ
永久を求めないか
死という文字をいつ捨てよう
永久など何処にも売っていない
この枝
もう花は散ってしまった
あまりに短い繁栄
人間社会を横目で見ながら
一日として休まず明日を夢見る
【記憶】
視界は暗転していき
錆び付いた映画が切断されます
あらゆるすべては消えて
貴方と他人になりました
悲しまないでください
貴方の知らない貴方にいます
【落とし物】
朝もやけむる高原に
少女は昨日を探している
風が吹き抜ける白い肌
何かが君を通り抜ける
草むらに光る昨日の欠片
落とした涙は渇いていた
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