坂をおりる/
草野春心
小さな山羊たちが
ぬれた坂をおりていく
夕暮れ時は、浜からの風が
舞いあがる砂と 金いろに踊っていた
こんなことも すぐに わすれていくのだろうが
私たちは 藍いろの水になって
山羊を追って おりていく
もう とっくに ぬれてしまった坂を
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