残された芝生/草野春心
 


  春のうえに あなたは
  静かな芝生を残していった
  私は眠りたい
  私はもう、何も歌いたくない
  建物の影が私たちを押し潰す
  月の光が埃のように降って落ちる
  あなたが残した芝生のうえに
  もう、誰も居ていてほしくはない



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