是々非々さん/アラガイs
々非々さんは一口お茶を口に含むと一気に飲み干した( うーん、実はエムのことなんだが…) そして喉を鳴らしながら唇を突き立てた。 ( エム? エムって、あの最近通い出したスタンドのことですか? 美人の親子がやっている )前に一度、新年会のときに連れて行ってもらったことがあった。雑居ビルの二階にあるその店は、四十過ぎの艶やかな母親と大学生の娘が手伝いをしていた。ははあ、 どうもこれは色恋沙汰を持ち出してくるつもりだな。是々非々さんは尖った顎をしきりに掻き出した。( 大失態だよ、大失態。いやあ、 知らなかったんだなあ…今まで…) 言いかけたところでおにぎりをモグモグと食べだした。(知らなかったって? 何
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