また来ん春に/吉岡ペペロ
 
木蓮が咲いていた

咲き初めの蕾かもしれない

どこかでミモザも咲くだろう

さくら木も紅く染まるだろう

繰り返し繰り返し

繰り返すことで育まれて

否応もなく育まれて

ときには

ときには壊されるのではない

それもまた繰り返し繰り返し

否応もなく繰り返し

あきらめるのだ

ぼくらはあきらめるのだ

あきらめることこそ

ぼくらの覚悟の意味なのだから

あきらめのない覚悟なんてないのだから









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