まっさらな本当の生まれるところ/ホロウ・シカエルボク
んて、そんなたいしたもんじゃないってことが…動くとき、吐き出すとき、差し出すとき、えてしてそんなものはなんの意味も持たないものなんだ、真実はそんなものとは無縁の場所にある、一番大事なのは、流れ出すものの邪魔をしないことだ、そのときそのときで、もっとも自然だと思える流れに身を任せることだ、これは、ある特定の事柄に限定される話じゃない、ある特定の事柄に限定される話じゃないんだぜ、見たこともないものだって、当り前みたいに流れるのが本当なんだ、新しい河の生まれかたは、一番古い川となんら違いはないはずだ、そう言えば理解出来るかな…新しいものは超自然的なものさ、あるものとあるものの計算された融合の結果などではない、進化すべきものは、なあ、土や水や骨にまみれて生まれてくるじゃないか?空気の亀裂に、カーペットの隙間に、サウンドの途切れたところに、そいつが生まれる理由がある、あらゆるものに爪を引っ掛けるような気持ちを持たなくちゃ駄目だ、そいつを俺は本能と呼ぶのさ…。
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