まっさらな本当の生まれるところ/ホロウ・シカエルボク
空気の亀裂に、カーペットの隙間に、サウンドの途切れたところに、うずくまり、拗ねた目で、こちらを見ている言葉たちの、首根っこつまみ上げて、ワードの空白にぶちまける、彼らの悲鳴が、ほら、自由な旋律を作り上げていく…言葉は心の、ままならぬところまで入り込み、名前のない感情を引っ張り出してくる、枯れた地面の底にある、唯一の水脈を引っ張り出すみたいに―それはちゃんと眠っている、呆然とした瞳のままで―それはワードの中で、名前をつけられる、確固たるものじゃなくていい、確固たるものなどなにひとつないから、そのときなんとなくそいつを表現しているような、一過性のものでいい、確固たるものなんかなにひとつ
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