気づく/花形新次
 
独り暮らしの部屋に
帰ったとき
消したと思った
部屋の灯りが
ついていた
気づかなければ
どうでも良かったことが
気付いた途端
後悔に変わる

と思ったら
隣の吉田さんちの
98歳になる
おじいちゃんが
座っていた

「淑子さん、飯はまだかい」


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