雲/番田 
 

あまりもう
友達と呼べる人はいなかった
私はひとり
同世代の家族連れと すれ違う

無印良品には
いつもと変わらない商品
来るべきではなかったと思わされる
いつものアーケードの人混み

カルディで 無料の
コーヒーをすする おじさんはすでにひとり
邪魔者扱いだった
私にも払うお金はなかったのだが

気づけば日が 延びてきた
微笑みを失った者にとっては もう 今は
楽しくはなくなった 季節が また
巡ってくる

戻る   Point(2)