術後/草野大悟2
 
は、助教の村中英一を執刀医に指定した。脳腫瘍手術数では全国一、二位を誇る宮崎学院大学脳神経外科医局の中でも、村中は、最も多くの手術をこなし、しかも、術後の後遺症もほとんど出していない。
 村中も術前のインフォームド・コンセントで、「手術の難易度は中程度、手術のミス率は、一パーセントもありません」と、佐藤夫婦に断言した。ふたりは、これを信じ、入院して手術することを決めた。

『私(佐藤陽子)は、医師(村中英一)より、
現在の病状・予想される副作用・代替の治療法について十分な説明を受け、理解しましたので、手術を受けることに同意します。
平成十七年十二月三日
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