飯館牛〜その瞳をみていたら〜より/黒木アン
飯舘牛との
名にしを負い
寵愛を一心に
うけ育ち
達者でいてな
たくさんの仔を
こしらえてさと
苦楽を共にした
ふるさとに
見送られ
朝月夜には
麓にひろがる
果樹の香につつまれ
鼻をくすぐる
風と遊び
火点しころには
瀞の音に
耳をそばだて
その八重山の郷にて
山水の美を
堪能されて
笑み多く
安閑の日々で
ありますように
山から湧きいでた
一滴の水が
小川となり
大河となり
大地を潤すように
たかが 一
されど 一
たったひとつに
繋げましたら
愛育も末広がりにと
ひい ふう みい よお いつ
その血統に
拍手喝采
錦を飾る日が
遠くありませんように
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