親父とわたしと息子/ただのみきや
 
しにはっきりと見てとれる
恐らく消え去ることはないのだろう

『 ああ父さんは寂しくて死んでしまうかもしれない
  うさぎみたいに…… 』

口にも顏にも出さないが
父親らしいことを何か言ってやりたくて
言葉と時を捜してはいるのだが
くだらない冗談ばかり
酔った時の親父のように
酔わない自分が饒舌になっている
離れる前に
もう一回
「たまごふわふわ」作ってやろう
それくらいしか思いつかない




            《親父とわたしと息子:2015年3月4日》










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