創世記/為平 澪
い
文字は味方だったかもしれないし
絵は友達だったかもしれない
けれど それにらについて交わす知恵も
私たちにはなかった
箱庭を覗いてくる 神の右目と左目
が、相談しながら、コトバを持たない私たちを
「甚だよし!」と、されては 庭を手入れする
ミニュチュアガーデンのなかに 洋服があったとしても
神は ブドウの葉で 着飾る私たちを赦さなかった
寒さも痛みもわからず 裸でいるだけの屈辱が
楽園の道楽者の定義
(お前たちは私たちの子供、私たちが作り上げた人形
(生まれたままの可愛い子、何でもしてあげるからココロ、だけは持たないで!
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