最終回ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
色で有名な映画音楽がながれていた。
心細げな潔さげな透明な音色。
高校生のベッドから垂れた手を思い出した。
花粉のせいだろうか。
白い光はまぶしくはなかった。
光はぜったい宇宙から来ている。なのに宇宙の暗黒はここにはなかった。
祖父ちゃんを感じていた。
ぼくは車から出てふらふらと歩いた。
ちいさなオカリナの音がきこえている。
祖父ちゃんという土を焼いて出来た楽器をふいていた。
海水から声がきこえた。
おまえたちをのこして死んじまって悪かったなあ、素朴で他人事のような悲しみがひろがった。
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