8ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
 
いのような気がした。

子供たちにぼくがいなくなったことが申し訳なかった。

高校生の人間関係のせいで殺されそうになって申し訳なかった。

申し訳ない。申し訳ありません。申し訳ありませんでした。そうだ。

思い出そうとした数字はこの感情だ。数字じゃないけどこの感情だ。

母が朝食を用意してくれていた。

父はもう仕事にでていた。

たいして儲からない不動産屋だ、というのは父の言葉だ。

冷たいソーセージとひからびた卵焼きを焼きたてのパンといっしょに食べた。

ぼくは起きたとき感じた数字というか感情をそのまま胸に抱えて仕事に出かけた。

海に寄った。


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