8ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
梅の香りに妻が風呂敷をかけた。風呂敷は青いビニールシート。数字が日にち。逆算しなきゃ。それさえも忘れた。子供たちがぼくとおなじ高さにいた。妻がタッパーからみそ汁。それをこぼす。ひるがえって青空。どきどきの甲斐もなくみんなは笑顔。はははははははは。家を脱いでレジをピッピッピッピッしにゆく。頭を打つ。首を打つ。なんのまわりを小躍りしながらまわっている。おとなしい。おとなしい。おとなしい。宇宙?そんなだいそれた数字、逆算、約束、忘れてしまった。
目が覚めて思い出さなければならない数字があるような気がしてぼうっとしていた。
バイトに行く日?バイトの時間?子供たちとこんど会う日?それいがいになん
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