夕暮れのバス/
Lucy
バスの座席に身を沈めると
自分の居場所を見つけた気がした
乗客は疎ら
誰もが無言で
窓の外を見つめている
赤いテールランプの川
灰色のまま濃くなる空に
星のように瞬いてとび去る
光の文字の欠片たち
どこまでも
運ばれて行きたいと思う
黄色い光の川を遡る
勇敢で寡黙で
孤独なバスに乗ったまま
戻る
編
削
Point
(14)