参道のひと/
黒木アン
ひとりの女が
ひとりで参道をあるき
ひとりで何を祈ったのだろう
あの雨のなか
紅いろの
垂れ梅は
傘もいらない
跳ねる雫石は
わたしの小指にとまる
素朴な路地の乾きとともに
願いとどく途中のような
今日は快晴
戻る
編
削
Point
(2)