記憶の彼方へ/
迷亭うさぎ
遠くから響いてくる声
耳を貸して
心をゆだねて
透きとおった一枚の
温かい膜が時を経て
わたしの記憶を覆い尽くした
遠くの方で鳴り止まぬ音
目を開いて
腕を伸ばして
通りすぎた一筋の
冷たい涙が時を経て
わたしの記憶を貪り尽くした
近くで聴こえた君のうた
消えかけた記憶と
ラベンダーの香り
この道を進むには
今まで通った道は忘れて
ただラベンダーの香りを頼りに
行くしかない
往くしかないよ
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