窓の外/竹森
 
っとルービックキューブの中で眠っているから僕が解き明かしてあげないと、と、そんな意識でこの文章を書いている。あなたに通じる言葉であなたに通じない感情と思考。でも確実にあなたに通ずるただひとつの道筋。チロルチョコが舐めたいとつぶやいた、盲目の少女には喉仏がない。乳房の膨らみは有り得ない。チロルチョコで喉を詰まらせた、盲目の少女が顔をしかめる。苦しい?苦しいよね。ほら。お口を開けてごらん。僕は彼女を覗き込む。鏡を通して。鏡を通さないで。辛い?辛いよね。ほら。もっとお口を開けて。その甘い吐息をもっと浴びせて。

「そんなに笑うなって」
「だって―――」



延々と。戯れ言。(雨。止まないね。)
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