接続詞が足りない。/竹森
うとする間に日は暮れて、見知らぬ街のありふれた夜に、どんな満天の星空よりも美しいと思えたんだ、一軒家の団欒を纏った優しい窓漏れ灯。ブックオフの105円コーナーの片隅に忘れ去られた恋愛小説を買って帰ろう。冬が訪れる限り何度でもそれを暖炉の火にくべよう。そうして燃え上がる火によって僕の背後の影の先端に付け足たされた影が失われた活字の面積に等しいと考えて、あからさまな間違いでもどうせ誰かに訂正を求められる訳でもないのだからと、炎と掌の距離感を、冬が訪れる限り、精神と肉体の関係に、何度でも喩えよう。
どうせ何度でも失える。
どうせ誰かが次の場所で待ち構えている。
生きていける気がする。と、
呼吸をする様に、何度でも反復しよう。
バタイユの眼球譚を、何度でも読み返すんだ。
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