6ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
 
し病的なぐらい言われたことをすぐ忘れる。

彼女と映画に行くのはあしただったっけ。自信がない。

でもぼくはたしかめない。

しばらくそういうことから離れていたかった。

またいずれ会社で働く日が来るだろうから。しばらく離れていたかった。

草原が姿を消していた。

雲を見上げた。雲はパラル。パラルかあ。海は石みたいな色になっていた。

外に出て風にあたった。

生温いひかりだった。

ぬるいみそ汁のような匂いがした。

日がさして海がまた草原になった。

生温かったひかりが少し温度をあげてぼくはそれに押されるようにして車に戻った。





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