レインドッグ(かすれた鼻歌の寝床)/ホロウ・シカエルボク
 
い…彷徨える人生って結構幸せなもんだって、そんな感じさ。確信して、迷わなくなったらきっとお終いなのさ…そこからの人生は、割振られた役割のようになっちまうんじゃないかって…まあそれにしたって、満更悪いことじゃないのかもしれないけどな…少なくともこんな時間に悶々とするようなことなんか、ないだろうしなーだけど思うんだけど、どんな人生でもさ、そこに何かを見つけようと思わなくなったらお終いだぜ、そうさ…それが出来なくなったときが、きっと本当のお終いなのかもしれないな…。俺はじっとして、雨の音に耳を傾ける、雨は強くなったり弱くなったりしながら、それでも確実に世界を濡らしている。つぎに目覚めたときどんな気分でいるのか、それすらも俺には知る手段がない…。







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