詩における実在論と観念論/葉leaf
 
るであろう。実在論と観念論の間の素朴な対立はあまり意味をなさず、実際には言語を含んだ三つ巴の相互に関わり合い浸透し合った原理で詩は出来上がっているのである。そして、世界の在り方に触発されて多くを語ろうとすれば実在論的な詩が生み出され、個人の感性の様式を重視して語ろうとすれば観念論的な詩が生み出され、社会によって形成された表現のルール(守るにせよ破るにせよ)に意識的になれば言語論的な詩が生み出される。だが、それらの詩には全て、世界と個人と社会という源泉となるモチーフのせめぎ合いと睦み合いがあるのであり、詩は一つの独立した原理で成立するのでは決してなく、複数のモチーフの複雑な絡まり合いにより成立するのである。

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