2ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
たくさんのひとの手に触れて仕事を終えた。
アルバイトといっても仕事は仕事だ。
半年前会社を辞めて就活はうまくいかなかった。
就活を休憩することに決めて地元のコンビニで働いていた。
きょうもたくさんのひとの声を聞いたような気がした。
車で通勤していた。
家族の残骸がまだいくつか残っていた。
助手席のドアの飲み物の差し込み口にストロベリーヨーグルトジュースのからが入ったままだった。
タバコの匂いだらけの車内だがまだすこしストロベリーヨーグルトの匂いを嗅げた。
家に帰ると母が食事をつくってくれていた。
父はもう寝ていた。
父が母に暴力をふ
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