夢に出てきた/
花形新次
夕べの夢に
出てきた美人は
美人だけれど
そんなに好きだったわけじゃない
久しく考えたこともなかったのに
突然出てきた
夢のほとんどは忘れたのに
美人のことだけ覚えている
美人は
それ相応に歳をとっていた
でも、美人は美人のままだった
美人は不滅なんだと感心した
何故、あの頃
僕は
不美人に思いを寄せていて
美人を好きではなかったのだろう
全然理由が分からない
夕べから今に掛けて
美人のこと
こんなに好きになっているのに
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