ジグソーみそ汁/吉岡ペペロ
惨めな気持ちにさせた。
母はどっかに行ってはなんか言い違うとこに行ってはまたなんか言いして親族間をもめさせる天才だった。
そんなことも含めて細かなことでも母は父に殴られていた。
家は妻に取られたからぼくは実家に戻っていた。
妻はレントゲンかエックス線の技師だった。
ぼくはウサギをひざにのせながらタバコを吹かしていた。
ウサギを飼うことにしたのは子供たちからのリクエストだったろうか。
いっぴきめのウサギは着替えていたぼくに踏まれて死んだ。
生暖かい生き物を土に埋めた。
病院に連れて行ったらあとすこしは生きられるんじゃないか。そんなことばかりを考え
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