お店のわかめは/とよよん
CGのようなテレビ映像に愕然となったあの日の
次の日
お店にまだ生ホタテはあった
その次の日
お店にまだ吉次はあった
その次の次の日
お店にまだ生わかめはあった
その次の次の次の日
お店から東北の海の幸が全て消えた
お店のケースに居座る喪失感
コールドチェーンが発達しているから
数日は在庫が流れてたんだ
故郷を離れふらふらとさまよって
それから数ヶ月して塩蔵わかめなんかもなくなった
放射能やら津波やら一緒くたでなんにもぜんぜんわからない
わかりたくなかった
ただ
私の大好きな東北の海産物がなくなった
消え失せた
それは
私の心と
お店の売り上げに悲しい深みをえぐること
数年
今は東北の魚にあふれてる、お店。
食べる、売る、応援。
(2015/2/15にツイッター投稿した詩です。黒木アンさんと行った連詩の一部。)
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