長い赤/為平 澪
 
どす黒い青のままで
短い春を 終えることに憧れる女子高生は
制服の下に隠した 無邪気な残酷さと無気力を
折り畳んで 卒業する

ホタルの光り、といえば
見上げたマンションのベランダに タバコの光り、を
ポツリ、と思い出し
自分が小さく燃えては やがて棄てられる
吸殻であることについて安心する

手に持たされた一本の短い線香の薫りに酔うことは 容易い
(夭折することは 美しい。
(私ハ、惜シマレナガラ、死ンデユク。
(ダレカ、ワタシニ、ナミダ、ヲ、チョウダイ。

社会は汚い
働いたこともない 真新しい心臓でも引きずり出して
誰かに見せ
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