菌/
草野春心
さむい納屋のなかで 菫色の図形が
次第に数を増していく 害のない菌のように
いつしか 石塀から剥がれおちた 西陽のつくるあなたの影
それは いつまでも 母屋の外に置かれた
みえない椅子に腰かけている
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