見学者/nonya
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
悲しみは波のように
幾度も打ち寄せるけれど
突然の不運に足をすくわれた君に
手を差し伸べることはできない
僕は僅か5.5インチの
世界の窓のこちら側
歯痒さと情けなさを
鼻腔の奥に感じながら
「可哀想」と言いかけた唇のままで
もう次の世界の窓を開いている
ほんの指一本で
自然からの無慈
悲な返答 ただ
狼狽えるばかり
の不自然 夕焼
け色のプ
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