回想10年/葉leaf
 
詩を用い、詩を書くことは刺激に満ちており、良い詩が書ければ満足した。私は詩を書くことで自らの危機にかりそめの解決を与えたのである。
 そのころ私は批評も書き始めた。批評は、とにかく先輩詩人へのアンチテーゼとして書き始めた。わけのわからないジャーゴンで詩が語られることに私は耐えられなかった。詩は詩でもって語られることによってどんどん内閉していき、もはや門外漢には導入すら与えられていないかのように思われた。私は持ち前の科学的精神でもって、詩という面白い科学的対象を科学的に分析する手法を磨いていった。初めはうまく書けなかったが、その手法は少しずつ洗練させて行けたと思う。
 詩の書き方として、私は初め
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