欲望のドア/ホロウ・シカエルボク
 
屋根の上で休息していた鳥たちが騒ぎ出す、目に見えるすべてのものは太陽と共に動き始める、太陽と共に動き始めるんだ、俺は太陽のいない時間から、そいつが始まるのを眺め続けている―まるで目に見えるゾンビのようにその窓辺で生きている―夜に乗じる獰猛な獣のような車は何処かへ去り、システムに則ったスマートな車列が信号待ちに並ぶ、どこかの店舗のシャッターが開く…散歩に連れられた計算高い犬が、けして届かない距離で野良犬を威嚇している、朝錬の学生たちが大声で話しながら自転車で飛び去っていく、俺は欠伸をしながらそのすべてを見下ろしている…





欲望のドアを開けるには、たくさんの出来事が必要になる。






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