水瓶座の朝と夜/岡部淳太郎
 
用な接ぎを当てる

星は少女たちを虜にし
男たちでさえもその航跡につづいてゆく
剥落した岩場の陰でうずくまる
何の計画も持たない人びと
日の当たらない場所に
満たされることのない水瓶が置いてある

それでも橋を渡る
はるかな背後で
歌われることのない人びとが自ら歌っている
その声を聞きながら
書かれることのなかった詩の
最終行をつぶやく
今日もまた
汚れた者がひとり
明日もまた
汚れる者がひとり
朝からはじまって
夜までつづく
水の 音のない奔流
野蛮な純粋さは時とともに笑われる

終ってしまった夢を川に捨てる
水の流れゆく思いを
喉に満たせ
私はここに在る
星の下の
さえわたる孤独とともに



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