起きたとき/葉leaf
 



起きた時喪失を感じる。夢を遡り昨日を遡り、どんどん過去へと逃げていく私の心の半分。私は朝起きるたび心が半分になる。そして、過去へと遡って行った心は決して帰ってこず、その代わり消え去った思い出を蘇らせる。私の心は半分になっても、新しい朝はなくなった半分をあてがってくれる。焼き立てのパンのように匂い立つ半分を。

起きた時沙漠を感じる。不毛な目覚めは幻想ばかりを呼び込み、刺激に満ちた空虚をどこまでも上塗りする。この沙漠は緑により浸食され水により滲み込まれ、一日とは充実した沙漠の緑化作業である。だが起きた時の沙漠は緑化などという野蛮なおせっかいを望んでいない。人生のエコロジーは沙漠の零点
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