眩暈/竹森
東京で
君とすれちがっても
きっと君だと
気づけない
きっともう
どこにもいない
鍵を失くしたらしい女の子
再び出会っても
再びあのホテルでも
体温でも
笑いが止まらないね
ストッキングを履かされた
その脚の形だけしか
あの夜の記憶がないよ
名前も
訊かなかった
きっとありふれた名前
だと思う
どこにでもいるのに
どこにもいたくないのって
ありふれたことを
言うんだねって言葉を無視して
僕たちは、
繋がって、いた(?)
東京
たくさんのお店
たくさんのサラリーマン
ぜんぶ
もうそう
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