眩暈/竹森
 
東京で
君とすれちがっても
きっと君だと
気づけない

きっともう
どこにもいない
鍵を失くしたらしい女の子
再び出会っても
再びあのホテルでも
体温でも

笑いが止まらないね
ストッキングを履かされた
その脚の形だけしか
あの夜の記憶がないよ

名前も
訊かなかった
きっとありふれた名前
だと思う

どこにでもいるのに
どこにもいたくないのって
ありふれたことを
言うんだねって言葉を無視して

僕たちは、
繋がって、いた(?)

東京
たくさんのお店
たくさんのサラリーマン

ぜんぶ
もうそう
戻る   Point(1)