ファッキン/吉岡ペペロ
 
この町にはずっと海の音が聞こえていた

ざらついた時間のようだった

意味のない切実な話し合いのようだった

もちろん安らかなまどろみのようでもあった

帰還兵に銃剣を突き付けられていた

単細胞でか弱い帰還兵だった

彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた


あんなにひとの死ばかりを見つめていると

それがぼくの命を代替えしてしまう

軍がくれた車でサーフィンにでも行こうか


この町にはずっと海の音が聞こえていた

ざらついた時間のようだった

意味のない切実な話し合いのようだった

もちろん安らかなまどろみのようでもあった

帰還兵に銃剣を突き付けられていた

単細胞でか弱い帰還兵だった

彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた









戻る   Point(2)