夜中の猫/春日線香
 
勝手に死んでしまった猫が
地面の下で 魚が食べたいという
いくら魚が食べたいと思っても
ここにあるのは石っころかミミズかモグラか
去年あんたが埋めた三輪車くらいなのだからと
しつようにしつように要求してくる
冷蔵庫にはひからびたキャベツの切れ端
空のマヨネーズ かちかちの納豆
あいにく魚は買い置きがない
ないならあんた買ってきなさいよほんとにぐずなんだから
猫はおんおん吠えたてる
耳のうしろをすうすう風が流れていく
もう夜も夜中の丑三つ時で
店はどこもがま口みたいに閉まっている
どこに行けば魚が買えるんだろうか
そんなの決まってるでしょ子供部屋見てみなさいよと
言わ
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