どこにも書いてないことを教えて/
木屋 亞万
光る
聞いて
ぼくのおなかには不機嫌なカエルが住んでいる
たまに火を吐くしいつもとても眠そうなんだ
聞かせて
君の胸の真ん中にはレンガの壁に囲まれた花園がある
花が咲き乱れる真ん中に小さな卵があり
そこで透明な鳥が眠っていること
きみの花園に包まれた白いたまごを知ったとき
この胸にも新しいたまごが生まれた
不機嫌なカエルはそのぬくもりに満たされて
しあわせな雪の中で満足そうに冬眠している
戻る
編
削
Point
(4)