Miz 6/深水遊脚
薫子の死があって、付き合っていた彼氏が葬式にも来なくて、それどころか薫子とのいろんな話を周囲にばらまいて、それが噂になって。その時以来、心のなかで男と戦っている気がする。でも、薫子の気持ちも知っていたし、そのなかには愛欲もあったから、セックスをタブーにするタイプのフェミニストも嫌いなの。ネットでいろいろ調べた。ほんの少しでも信じていられる言葉を探して。不思議なもので、セックスワーカーのブログやツイッターに、読んでいて心地よいものがあった。そのなかでミネコさんの『下弦の月』が特に好きだった。」
「私の書いているブログ、間違いないわ。でもどうして私だと分かったの?」
「小さい頃、薫子と一緒に澄花さ
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