封印。/梓ゆい
 
物を落とした日

探しても見つからないと

諦めて無かった事にした。

(心の針を一巻きして、出会う前の私に戻ってゆく・・・・。)

顔と名前がちぐはぐで

「あなた、誰?」すらも言わない口元。

(砕けた心は、出会いを忘れようとする・・・・。)

叫ぶことが出来ない本音の話。

切り揃えた髪を束ねて

魂を一つ天へと帰す様に

焚き火の中へと放り込む。

「(誰かを忘れたい。)と願った日、私の中で私が一人死んでいった。」

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