流星群/ホロウ・シカエルボク
 




あそこに星が、と
きみのさししめす指があわれで
ぼくはこころで百万粒ほども涙をながす
なにもかもまっしろなこの部屋で
きみはそうしてはるかかなたを眺めているのか


生きるために必要ななにかを
きみに送りこんでいる透明な細い管
セロファン紙のような肌に穴をあけてそいつを繋がなければ
きみはきっと明日の目覚めさえむかえることは出来ない
精密に調整された室温の中に居ても
きみはまるで氷の上で凍えているみたいだった
「それはすでになくなってしまった光なのだよ」と
ぼくは言おうとしたが
きみがきっとそれを知っているのだと思って
ひとつ
うなずいただけにした
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