天と地の狭間にて/白糸雅樹
 

はじめてのくちづけ熱くこの天も地も知ろしめさせ響け和音よ

こまぎれの短歌かたかた細切れのねぇねぇそれは美味しいですか

死者誤入されて冥土もこの世にも居場所がなくて北風となる

さぁ行くぞ献血ルームにまっしぐら準備体操充分にして

布団からひきずり起きて目にしたはどこまで続く跳び箱の列

きみの曲それはたとえばカンパリの後味に似てもう一杯を

アザラシの寝ている写真撮ったなら捨てろ雄雄しきコンプレックス

きしきしと音たて沈む夕陽から投げ出された日が埠頭に映える


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