恋愛詩の在り方/葉leaf
 
手は多いだろう。両思いだったら、二人だけの閉ざされた領域に閉じこもるエゴイズムが際立って見える。だから、読まれる恋愛詩の書き方としては、たとえそこに登場する人物が自分と相手だけだったとしても、その両方に中心を置き、かつその両方の擦れ違いに敏感であることが必要だと思う。自分の言動に相手が動かされ、相手の言動に自分が動かされ、中心が行ったり来たりすること。そして、恋愛においても自分と相手の間には大きな亀裂があることを認識することだ。
 恋愛は単なる他者との関係ではない。そこには欲望が挟まる。欲望がある以上、そこには必ずすれ違いが生じるのだ。ところが幸福な恋愛の成就を求める多くの人たちは、欲望の持つ本
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