絆創膏/
北井戸 あや子
絆創膏は彼女に優しい
いつだって
なにも言わないで
傷を覆う
傷が治っても
彼女が落ち着くまで待っている
いつまでも
僕はそれが拒絶に思えて仕方ない
絆創膏で塞がれた傷
なにも見えない
僕の傷をただ見てるだけ
絆創膏を貼るのが僕だったら
こんなことで悩まなくて済んだのか
絆創膏を貼る彼女を見ているだけの
この変わりようもない両目を塞いでくれ
ああ、今までの傷は無かった事にして
その上から塞いでくれ
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