珈琲と古本/xxxxxxxxx
酸化し切った珈琲豆をドリップした
午前二時、それはクソみたいな味
だけどどこか落ち着く香りがした
古い本を開いた時の香りに似て
(朝を待つには長すぎる
何か退屈でもいいから
本が必要だ。そう、本が
何も産み出しはしない 物語が)
舞台が幕を開ける迄に主人公を用意しなければならないそれは歪んでいてそれでいて絶対に正しくて最後に沈黙を齎す様なそんなモノがよい何故なら嘗てのハムレットがそうだったように嘗てのジャンヌ・ダルクがそうであった様に嘗てのナザレのイエスがそうであったように嘗ての誰かがたくさんの誰かがそうであったかも知れないから
いつの間にか珈琲を飲み干していた
珈琲というモノはいつの間にか消える
この物語はそうであって欲しくない
終わりを終わりとして感じて終わって
誰かの心に刻み付けられるモノであって欲しい
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