まよいのもり/nemaru
 
よくあるタイプの
まよいのもりで
僕は
切り株に隠れていた
目の前の妖精たちの動きを見て
ダンジョンの入り口を覚えなければならない
重要な場面で
僕はなぜか親指の爪で
人差し指の爪の垢をほじくっていた
気がつくと
妖精は引きこもり
僕の目の前には
ただただ草原が広がっていた
僕は焦った
画面をスクロールさせて出直してみたが
妖精は出てこなかった
僕は
まよいのもりを徘徊し
何度でも生えてくる草花を剣で刈り取った
やがて
所持金は999ルピーでカンストし
爆弾も弓矢も99でカンストした
これを使うダンジョンへの入り口は
もう開かれない
あまりにもひどい
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