自動車の歌/葉leaf
 



僕は工場で量産された個性のない品物
僕自身のアイデンティティが欲しくて今日も走る
持ち主が僕をどう扱うか
どんな所を走っていくかによって
僕の個性は少しずつ作り上げられていくから
僕はこの世で唯一の車になるために
持ち主固有の道筋をたくさん走らせて欲しいんだ

道路を行き交う沢山の仲間たちと
僕は交通規則にのっとった触れ合いしかできない
相手と一定の距離をもって並びすれ違い
駐車場でも機械的に並べられる
僕は仲間とクラクション以外で話してみたい
だからといって仲間と事故は起こしたくない
持ち主が感謝を示すためライトで合図し合うときだけ
僕は少しだけ相手の車
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