漆色の如月に/信天翁
 
    瓦斯ヒーターのファンが
   しばしの平安を息づくなか
   真冬日が その真っ只中で
      卒寿にたどりついた
   独り暮しのまどろみを誘う

前半生で水にながした
    走り書きのいとおしさょ
後半生で油にとけた
     落書きのたわいなさょ
そして・・・・そして
終着駅で宙に消えるであろう
     有機物のミステリーょ
戻る   Point(2)